【上海=河崎真澄】中国の上海海事法院(裁判所)が商船三井所属の鉱石運搬船「バオスチール・エモーション」を差し押さえた問題で、同裁判所は24日、差し押さえを解除したと発表した。同社が供託金の納付に応じたことによるもので、公告は「判決の義務を全面的に履行した」としている。
商船三井は損害賠償として日本円で29億1600万円、裁判費用など242万元(約4000万円)に加え、遅延金利を23日に支払って判決による賠償義務に応じたという。同裁判所は遅延金利を含む総額は明らかにしていないが、上海紙の解放日報(電子版)は24日、約40億円と伝えた。
商船三井はこの鉱石運搬船で2011年、中国国有高炉大手の宝山製鉄(上海市)と、20年間の鉄鉱石輸送契約を結んでいる。同裁判所は19日、宝山製鉄が管理している浙江省舟山市の離島にある積み降ろし用港湾で、商船三井の鉱石運搬船を差し押さえていた。