首相、好感触得る 欧州5首脳との相性は…

2014.5.6 11:00

 安倍晋三首相の欧州歴訪は5日で7日目を迎え、後半戦に入った。これまでドイツ、英国、ポルトガル、スペイン、フランスの5カ国の首脳と会談し、安全保障や経済の分野を中心にした2国間関係強化で一致した。もっとも「訪問国と特に大きな懸案はない」(政府高官)という今回の欧州歴訪は各国首脳と個人的な関係を深めることに重点を置いている。安倍首相と各首脳との親交はどこまで深まったのか-。(パリ 桑原雄尚)

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 ■仏、国賓級待遇

 ■ポルトガル、質問攻めに

 ■スペイン、付きっきり

 ■独、訪日を約束

 ■英、親交は次回

 安倍首相は5日昼(日本時間同日夜)、フランスのオランド大統領との会談を終えると、日本大使公邸の和食紹介イベントに大統領を招待。「おなかをへらしているのでは」と気遣いながら、会談が行われた大統領府から大使公邸まで、パリの街並みを見物しながら異例の徒歩移動を行い、親密さをアピールした。

 安倍首相とオランド大統領は、もともと“ウマが合う”仲とされる。オランド大統領も安倍首相を国賓並みに待遇し、さらに絆を強めた格好となった。

 南欧2カ国の首脳も安倍首相に興味津々だった。ポルトガルのコエリョ首相は、経済政策「アベノミクス」に関し、安倍首相を質問攻めにした。スペインのラホイ首相も、自身の出身地であるキリスト教の聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラに安倍首相を招待。約4時間の滞在時間をほぼ付きっきりでもてなした。

 一方、安倍首相とは疎遠とされたドイツのメルケル首相。日独首脳会談は「非常に友好的なムードだった」(首相周辺)という。

 これまで日本側の訪日要請に対し、時期の明示を避けてきたメルケル首相が、今回は「来年」と明言した。安倍首相を“信頼できるパートナー”と認めたようだ。

 安倍首相との会談があっさり終わったのが英国のキャメロン首相。日英外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の初開催で合意するなどの成果はあったが、「欧州議会選挙の対応で忙しかった」(同行筋)こともあり、親交を深めるのは次回の機会に持ち越しとなった。

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 ■日仏首脳会談の骨子

 ・首脳会談を可能な限り毎年開催

 ・国際法に基づく航行、飛行の自由の維持を確認

 ・ロシアによるクリミア半島併合は国際社会の諸原則に違反

 ・無人潜水機など防衛装備品共同開発に向けた交渉開始

 ・外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を平成27年に東京で開催

 ・北朝鮮による拉致問題解決への努力を再確認

 ・海洋安全保障分野の協力を強化する決意を表明

 ・閣僚のハイレベル経済対話の促進で一致

 ・日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)を近い将来に締結する方針を再確認

 ・第4世代原子炉(ASTRID)、高速炉協力に関する取り決めを歓迎

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