【シンガポール=本田誠】日米など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が19日、シンガポールで始まった。20日までの2日間で、関税の撤廃・削減をはじめ、国有企業改革や知的財産保護など難航分野を中心に着地点を探る。
甘利明TPP担当相は同日朝、記者団に「各国間の2国間交渉を加速して、閣僚間で交渉全体の進捗(しんちょく)を評価するということが大きな狙い」と述べ、大筋合意は難しい情勢にあることを示唆した。
甘利氏は会合に先立ち、閣僚会合の進め方をめぐって米通商代表部(USTR)のフロマン代表と個別に協議した。甘利、フロマン両氏の協議は日米首脳会談に合わせて行われた4月24日以来となる。甘利氏は「日米(協議)の進展が大きな推進力となって交渉全体が早期妥結に向かって前進するということを期待している」と強調した。
閣僚会合は、19日午前の全体会合で各分野の状況を確認し、午後は参加各国の閣僚らが、個別に2国間での話し合いを進める。