【ブリュッセル=G7サミット取材班】先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が4日夜(日本時間5日未明)、ブリュッセルの欧州連合(EU)本部で開幕、ロシアを除外した今回のサミットの主要議題となるウクライナ情勢など政治・外交分野の討議に入る。安倍晋三首相は「法の支配」の重要性を訴え、東シナ海や南シナ海への進出をもくろむ中国への牽制(けんせい)へ結束を呼びかける。
安倍首相は3日夜(同4日未明)、ブリュッセルに到着した。4日午前(同日夕)にはEUのファンロンパイ大統領、バローゾ欧州委員長と同本部で会談し、ロシアがウクライナ情勢の安定化をさらに阻害した場合、追加制裁を行うべきだとの考えで一致した。
双方は5月25日のウクライナ大統領選が平和的に実施されたことを評価し、ポロシェンコ次期大統領を支持することで合意。首相はウクライナ支援策として官民による経済ミッション派遣や避難民支援を検討していることを表明した。
首相は、ロシアによるクリミア併合とウクライナ東部の不安定化への関与について「力による現状変更は許されない。ロシアの行為は許容できない」と批判し、ロシアに責任ある国家として行動を求める考えを示した。