日本株式再浮上の条件は2つ 政府・日銀はウォール街を動かせ (1/3ページ)

2014.6.8 12:09

【日曜経済講座】編集委員・田村秀男

 米株価の上昇基調にもかかわらず、日本の株価は今年1月以降、軟調が続いている。これまで株高が個人消費を押し上げてきたのだが、株価の低迷が続くようだと、4月からの消費税増税に伴う家計負担増と重なり合い、景気がおかしくなる。株価の再浮上は可能か、条件は何か。

 読者の中には、1月から始まった年100万円までの投資が非課税となる少額投資非課税制度(NISA)へ加入して、株式投資を始めた方々も多いだろう。日経平均株価は12月末に比べて約1割安いが、短期的な株価の上がり下がりにやきもきしても始まらない。問題は中長期的なトレンドである。

 グラフを見よう。日経平均株価は安倍晋三内閣が発足した2012年12月以降、1年間にわたって大きく上昇してきた。当初は「アベノミクス」への期待先行で始まったが、間もなく日銀による異次元の金融緩和、機動的な財政出動が始まり、株価反転にはずみがついたが、今年1月に失速した。

 他方、日本の国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費はどうか。家計の金融資産に占める株式・出資金の割合が1割にも満たない日本の場合、同4割近い米国に比べて、株高に伴う資産増がもたらす消費刺激効果はかなり小さい。04年から07年にかけての株高局面では株価と消費動向はほとんど連動せず、株高がピークに達した07年4~6月期でも実質個人消費は前年比0・9%増にとどまっていたのだが、昨年は一貫して株高と同調するようになった。アベノミクスへの期待の大きさが株高をもたらし、15年間も続いてきたデフレの淵(ふち)に沈んでいた消費者心理を大幅に上向かせた。株価はかつてなく日本経済の重大な鍵を握っている。

日本の株価は日本ではなくウォール街が決める

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