金融政策に潜む「量的緩和のワナ」 リチャード・クー氏が警鐘 (8/9ページ)

2014.6.22 07:07

 クー氏は、「黒田総裁より前までの日銀は、量的緩和解除のリスクに気づいていたようだ」と指摘する。2001年に量的金融緩和を始めた当初、日銀は長期国債ではなく、1カ月物や3カ月物の短期債を購入していた。

 この手法なら、日銀が何もしなければ、1-3カ月後に満期を迎えて資金が日銀に流入するので、量的金融緩和が自然に終了する。しかし、現在のように長期国債を大量に買ってしまうと、簡単には解除できない。「量的緩和をどうやって実行するかの論文は無数にあるが、どうやって止めるかを正しく示した論文は1本もない」と、量的金融緩和をめぐる議論の偏りを憂慮する。日銀の消費者物価上昇率の目標は2%だが、本当に2%になるまで続けたら、まず短期金利が上がる。「その段階で緩和縮小を始めたら長期金利はどこまで上がるか……。日銀はこの危険性を十分に理解してほしい」。

 構造改革は15年かかる。日本はスイスを手本に

 では、安倍首相の構造改革に期待してよいのだろうか。クー氏は米国生活時代を振り返りながら、「構造改革と株価を短絡的に結びつけるべきではない」と指摘する。構造改革が開花するには、時間がかかるためだ。

「具体策が出れば、その後15年、日本株を持ち続けてくれるのか?」と尋ねると…

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