【ビジネスアイコラム】シンプルな指標で見ると…米株は割高か? (1/2ページ)

2014.8.6 05:00

 モルガン・スタンレー証券の著名ストラテジストであった故バートン・ビッグス氏は文章がうまいことで有名だった。退社後にヘッジファンドを始めた時には本を出版したが、その中に毎朝通勤電車の中で翌日の新聞を読めるブローカーのフィクションが登場した。これはその日の寄り前に株価の引け値がわかるという株屋にとっては夢のようなお話である。上がる株を買い、下がる株を売り引け前に反対売買すれば良いだけだ。だがもちろんそんな事は夢物語であって現実には起きるはずもない。それで昔から投資家達は何とか株価を予測しようと努力を積み重ねてきたわけである。

 ダウ・ジョーンズ株価指数を考案したチャールズ・ダウは株式市場のトレンドとその転換点を予測する「ダウ理論」をまとめあげた。ダウ理論は当時、市場を予測する高性能な指標としてもてはやされた。しかし1933年にアルフレッド・コウルズが「ダウ理論」を検証してみると、インデックス(SP500の前身)を年率で3.5%ほど下回っていることが分かってしまった。

 しかしそれでも「ダウ理論」はまだましな方で、当時の24種類におよぶその他のやり方ではインデックスを4%も下回ってしまったのだ。それでもコウルズはそのことを派手に宣伝したわけでもないので、ダウ理論の本は売れ続け、その他にも斬新なアイデアは続々と市場に登場しては消えていったのであった。

 しかしながらコウルズ以降80年代半ばまで、理論家の間では市場の上げ下げを予測することは一般的に無理だと考えられていた。最後にそうした考えを補強したのが株価は酔っぱらいの千鳥足のようにでたらめな動きをするという「ランダム・ウォーク理論」であった。

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