「総合」か「コア」か 日銀の物価目標 “物差し”はどっち?

2014.8.15 23:29

消費者物価指数の推移

消費者物価指数の推移【拡大】

 日銀が掲げる「平成27年度にも物価上昇率2%」という目標達成について、物価をどの指数で判断するのか市場関係者の間で話題となっている。日銀は通常、総務省が毎月発表する消費者物価指数のうち生鮮食品を除く「コア」指数を重視しているが、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は8日の記者会見で、生鮮食品を含めた「総合指数」で判断すると発言。「2%達成」をどの指数で判断するのか。日銀は分かりやすい説明が求められそうだ。(藤原章裕)

 消費者物価には、構成する品目に応じてさまざまな指数がある。例えば6月分(消費税増税分を含む)の前年同月比上昇率をみると、総合指数が3・6%だったのに対し、コア指数は3・3%、食料とエネルギーを除く「コアコア」指数は2・3%だった。

 日銀はこれまで、金融政策決定会合後の公表文や「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の物価見通しなどで、コア指数を採用している。天候要因で価格が変動しやすい生鮮食品を除くほうが、物価の基調をとらえやすいとの理由からだ。

 ただ、政策決定会合の審議委員からは、コア指数以外に着目する発言が相次いでいる。石田浩二審議委員は7月の講演で、「コア指数のみで『物価安定目標の実現』を判断することは適当ではない」と発言。持ち家の所有者が自分自身に家賃を払っていると仮定した「帰属家賃」を除く総合指数を含め、さまざまな物価関連指標で総合的に判断すべきだとの認識を示した。

 佐藤健裕審議委員も6月の講演で、「賃金を含む幅広い指標を丹念にみていく必要がある」との持論を披露した。

 日銀内にはもともと、「『物価安定目標』は総合指数で判断する」という共通認識があるようだ。だが、一般にあまり知られておらず、「コアのみで判定されるかのような誤解も見受けられる」(佐藤委員)という。このため、黒田総裁が8日の記者会見で、「消費者物価『総合指数』の2%程度の上昇が安定的に持続すること」と発言することで、日銀内の共通認識を改めて外部に強調したとみられる。

 とはいえ、エコノミストからは「各委員の見解が微妙に違うので分かりにくい。日銀にとって最も都合の良い指数で2%の到達度を判断する可能性もある」との声も上がる。

 13日に発表された4~6月期国内総生産(GDP)速報値は年率6・8%減と大幅に落ち込んだ。景気を底上げするため、追加緩和への期待感が高まる可能性もある。日銀は、物価の判断基準をはっきり示し、追加緩和の是非を論じる必要がありそうだ。

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