日銀が来年1月にも追加緩和に踏み切るのではないかとの見方が市場で浮上してきた。消費税増税後に落ち込んだ景気の回復が遅れ、7~9月から盛り返すとの政府・日銀のシナリオに狂いが見え始めたからだ。日銀が具体的な緩和策を示しているのは年末までのため、民間エコノミストの間では、年明けにも追加緩和に踏み切るのではないかとの声が多く上がる。
黒田東彦(はるひこ)総裁は4日の会見で金融政策について、「2%の物価目標を安定的に持続できるまで現在の金融緩和を継続し、上下双方向のリスクを点検し必要な調整を行う」とこれまで通りの発言を繰り返した。
ただ政権内部や市場では追加緩和論が高まっている。増税で個人消費が冷え込み、景気回復に足踏み感が出てきたためだ。
追加緩和のタイミングについて、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「来年1月がメーンシナリオ」と予想。大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストも「物価上昇率2%の達成が危うくなればやる」と来年1~3月を想定する。