--消費税率引き上げ後の足元の景気の現状認識は
「1~3月期と4~6月期の国内総生産(GDP)は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要と反動減があった。ただ、1~6月期をならしてみると前期比でプラス成長になる。今夏は台風や豪雨で予期せぬマイナス要因があったが、個人消費や設備投資が今後、どう回復するかが大事だ」
--2014年度補正予算編成についての考えは
「日本経済が順調な景気回復軌道をたどるよう細かな対策を打つのはその通りだが、今の段階で詳細な議論はするべきではない」
--消費税率10%への引き上げはどう判断する
「7~9月期のGDPの結果やそれ以外の月次や週次のデータに加え、8%への引き上げ判断時と同様に幅広く有識者の意見を聞き、安倍晋三首相の判断材料をそろえる。予定通りの引き上げでも延期でも、景気の失速という日本経済に対するリスクや法律を書き換えるという政治的なコストがそれぞれある。ただ無期限の延期はできない。今回の判断は相当に悩ましい」
--環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の見通しは
「11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議周辺での大筋合意に向け作業を続けている。そこまでにTPP参加12カ国の閣僚会合と、その前提として日米の閣僚で大筋合意が必要だ。日米の合意には事務レベル協議で高度な政治判断以外は全て決着する必要がある。ただし日米が合意しても他の交渉が決着しなければ年内合意は難しい。2国間の交渉をしっかりこなしたい」