タイの化粧品・美容製品産業が好調を維持している。業界団体のタイ化粧品製造業者協会(TCMA)によると、昨年の同国化粧品・美容製品の市場規模は2100億バーツ(約7035億円)、うち国内が6割を占め、輸出が4割だった。同産業は2009年以降、昨年まで年平均18%の勢いで成長を続け、政変などで消費者の購買意欲が低下したとされる今年も成長を確保する見通しだ。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。
同国は、昨年から続いた政情不安が今年5月に政変へ発展した。政治の混乱は経済にも波及して景気も低迷。タイ中央銀行が今年の国内総生産(GDP)の成長率を3%から1.5%に下方修正するなど成長が減速している。
しかし、TCMA幹部は1997年のアジア通貨危機の際も同産業の売上高は増加したと指摘。「この分野に関していえば、タイの消費者の流行を追う意欲は旺盛そのものだ」として、今年の加盟800社の売上高は最低でも前年比10%増を確保できると予想した。