小渕優子経済産業相は18日、自らが関係する政治団体で支持者向けに行った観劇会の収支が食い違っている問題などの責任を取り、辞任する意向を固めた。政治団体の収支を自ら調査した上で、安倍晋三首相に辞表を提出する。任期途中の辞任となれば、平成24年12月に発足した第2次安倍政権では初めて。9月の内閣改造からわずか1カ月半での辞任劇となる。
小渕氏は18日午後、経済産業省に入り、記者団に対し「今やらなければならないことは、政治資金に関する問題のために、しっかり調査をすることだ」と述べた。進退については明言しなかった。
小渕氏はこの日、三菱重工業の小牧南工場(愛知県豊山町)で開かれた三菱航空機の国産初の小型ジェット旅客機の機体完成記念式典に出席する予定だったが、「現地での混乱を避けるため」(経産省)として急遽(きゅうきょ)取りやめた。
小渕氏の政治資金をめぐり、同氏の後援会など2つの政治団体が22、23年分の政治資金収支報告書で、支持者向けの観劇会の収入を計742万円、支出を計3384万円とそれぞれ記載、収支で2642万円の差額が生じていた。支持者への格安の観劇なら、公職選挙法が禁じる有権者への利益供与に抵触する可能性がある。
観劇会は24年も開かれたが、収支報告書に記載されていなかった。政治資金管理団体が事務所費でベビー服などを「贈答品」として購入していたことも分かっている。