シンガポールは若年層ほど幸福を実感できない。同国政府系シンガポール人材研究所の「職場の幸福度」調査によると、労働者の幸福度指数(満点は100)は59で、幸福の基準線に当たる68を大きく下回った。とくに1981年以降に生まれた層(33歳以下)が59、65~80年に生まれた層(34~49歳)が58なのに対し、64年以前(50歳以上)に生まれた層は64.4で世代間の差が大きいことが明らかになった。現地紙トゥデイが報じた。
同研究所では、年齢が上がるにつれ目標を達成した労働者が増える一方、達成できずともキャリア志向が薄れる傾向があると分析。若年層は昇進などが重圧になっているほか、仕事をこなそうとする意識がいらだちにつながっていると指摘した。
また、勤務先の幸福度では地場中小が60.3で最も高く、以下、公務員(60.2)、多国籍企業(57.1)などだった。同研究所は、小規模事業所の方が経営に関わっていると実感できるため、自己存在の重要性を認識できると説明している。
同調査は国内在住者5600人(うち94%が国籍・永住権保有者)を対象に今年4~8月にインターネットで実施。給与、やりがいなど28項目に対する回答を指数化した。