政府は11月の月例経済報告で景気の基調判断を「緩やかな回復基調が続いている」と前月から据え置いた。ただ、前月に「このところ弱さがみられる」としていた表現を「個人消費などに弱さがみられる」と変更。7~9月期の実質GDP(国内総生産)成長率が年率で前期比1・6%減と予想外のマイナスとなり、個人消費の弱さが改めて確認されたことを反映した。
甘利明経済再生担当相が同日の関係閣僚会議に提出した。個別項目では、個人消費は「持ち直しの動きが続いているものの、このところ足踏みがみられる」との判断を据え置いた。新車販売や小売業販売は底堅いが、消費者態度指数が10月まで3カ月連続で悪化し消費者心理が弱含んでいる。
一方、雇用情勢は2年ぶりに下方修正。有効求人倍率の右肩上がりの改善に一服感が生じたためだが、「改善傾向」との基本的な見方は変えていない。
企業収益は10月の「改善に足踏みがみられる」から「大企業ではこのところ改善がみられる」に1年ぶりに上方修正。甘利氏は同日の会見で、先行きの景気下押しリスクとして「消費者心理の低下などに留意する必要がある」と述べた。