具体的な追加緩和の内容についても意見が交わされた。何人かの委員は「戦力の逐次投入と受け取られないよう、リスク量や副作用も勘案の上、可能な限り大きな規模を目指すべきである」と述べた。
その上で、複数の委員は、(1)市場への資金供給量の増加ペースを年間約60兆~70兆円から約80兆円に拡大(2)長期国債の買い入れ額を年間約50兆円から約80兆円に拡大-することが望ましいと述べた。短期国債買い入れとのバランスや長期国債の買い入れ平均残存期間もあわせて検討すべきとの意見のほか、上場投資信託(ETF)やJ-REIT(不動産投資信託)といったリスク性資産の買い入れも増加すべきとの意見も出された。
■「効果はかなり限定的」と反対
一方、このタイミングで追加緩和を行うことに、慎重な意見も相次いだ。何人かの委員は「コストや副作用に見合わない」と述べ、追加緩和の効果を疑問視する姿勢を表明。金利が歴史的な低水準にあることから、「経済・物価に対する限界的な押し上げ効果は大きくない」との意見も出された。
日銀が昨年4月に導入した異次元金融緩和は、消費者や企業の物価上昇予想に働きかける効果も期待されている。これに対し、何人かの委員は「(追加緩和の)効果は導入時と比べてかなり限定的なものにとどまる」と述べた。効果の持続性に疑問を投げかけた委員もいた。