今回の衆院選の最大の争点が安倍晋三首相(自民党総裁)が推進する経済政策「アベノミクス」の是非だ。政権公約(マニフェスト)で経済財政に関して多くの文量を割き、独自色を競い合う各党の公約を比較すると、3グループに分かれる。
アベノミクス推進を主張する自民党は「景気回復、この道しかない」として金融緩和、財政出動、成長戦略のアベノミクス「三本の矢」を「強力に進める」と強調。首相も、4日の和歌山市での街頭演説で「景気の好循環を回すことで、15年続いたデフレから脱却し、経済を成長させる」と訴えた。公明党も首相の経済政策を支持した上で「景気回復の実感を家計へ」として、消費税再増税と同時に軽減税率の導入を目指す。
これに対し民主、共産、生活、社民の各党は反アベノミクス路線。民主党は「厚く、豊かな中間層」を復活させるとして「柔軟な金融政策」「人への投資」「未来につながる成長戦略」の3本柱で対抗する。生活の党も高校無償化などで「家計の可処分所得を増やす」とした。共産、社民の両党は大企業や富裕層への課税強化を掲げる。
一方、維新、次世代の両党はアベノミクスの方向性は支持しつつも、修正を求めている。維新の党は成長戦略に関し「支持基盤を解体する改革は自民党にできない」として「徹底した競争政策」を唱える。次世代の党も、「アベノミクスは軌道修正が必要」と指摘して、追加金融緩和の撤回や、公会計改革などを訴える。