【高論卓説】景観破壊は訪日観光客の失望招く 千葉利宏 (1/3ページ)

2015.1.8 05:00

 新年を迎えると日本人の多くが神社や寺院に参拝する。毎年300万人以上が初詣に訪れる明治神宮や成田山新勝寺の混雑ぶりをテレビで見る限りは感じないが、地方の実家で初詣すると地元の神社・寺院が地域コミュニティーで重要な役割を果たしていると実感する。

 NHKの紅白歌合戦が終わる頃に着込んで地元の氏神様を祭る神社まで歩いてお参りに行くと、境内でたき火がたかれ、地域の人たちがぞろぞろと集まってくる。参拝後に当番の氏子に挨拶してお神酒をいただき、御札となぜか“みそぱん”が配られ、たき火近くで地域の人たちと新年の挨拶を交わす。そうした交流が地域の人々のつながりを深めている。

 昨年10月に東京・日本橋室町の超高層ビルの谷間で福徳神社の新しい御社が完成した。三井不動産が昔から日本橋に残る良質なコミュニティーに新たな魅力を加えようと、地域の精神的より所である福徳神社を再建して賃貸した。

 さらに隣接する敷地も鎮守の森として整備すると決め、「地元町内会の人たちの要望を聞きながらデザインを検討している」(三井不動産日本橋街づくり推進部・新原昇平部長)という。地域コミュニティーの形成には、人々が自由に集まれるオープンスペースも重要な役割を果たしている。日本橋地区の来訪者にも人気を得るのは間違いないだろう。

 神社・寺院は、外国人旅行者の観光スポットとしても人気が高い。日本にある14の世界文化遺産のうち、神社やお寺に関連するものが京都、奈良、日光など7つ。昨年、京都での外国人宿泊客数が初めて年間100万人の大台を突破して話題となったが、国際都市を目指す東京でも人気スポットとして真っ先に挙がるのは浅草寺だ。

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