【高論卓説】時代の先行く感性が社会変える 田部康喜 (2/2ページ)

2015.2.16 05:00

 2010年をベースとして40年には、全体の半数近い自治体が上記の女性人口が5割以下に減少する。さらに人口が1万人を切る自治体が3割近い。前者を「消滅可能性都市」、後者を「消滅可能性が高い」とする。

 この論議の立て方に真っ向から反論するのは「農山村は消滅しない」(岩波新書)の著者である明治大学農学部教授の小田切徳美氏である。第1は、集落は強靱(きょうじん)であり「どっこい生きている」。老いた父親世代が守ってきた田園を、近くの都市に住む子供世代が週末に帰って手を入れている集落が増えている。

 第2は、若者たちの田園回帰によって、集落が活性化して新たな産物や加工業が生まれている。

 日本創生会議の人口減少社会の処方箋は、東京に流れ込む若者人口をせき止めるダムの役割を果たす“20万人規模の地方都市”を育てて、それを中心とした地域の振興を図るというものである。

 若者たちの田園回帰は実は、バブル崩壊後の20年ほど前から始まっていたのではないか、と議論されている。非正規雇用の拡大などにより、若者にとって都市が住みやすい所ではなくなったのである。いち子の映画の原作は約10年前のコミックの単行本である。

 時代の先を行く若者たちの感性はときに、社会を変える。かつての若者の一人である私はそう感じ、現代の彼らに期待したいと思う。

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【プロフィル】田部康喜

 たべ・こうき シンクタンク代表 東北大法卒。ソフトバンク広報室長などを経て現職。60歳。福島県出身。

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