北京市品質技術監督局は先ごろ、地方基準である「都市下水処理エネルギーの消費限度」を発表。3月1日から施行する。二酸化炭素(CO2)排出削減を目指す中国で、初めて下水処理に要するエネルギー消費で限度量を定めたもので、施行後は市内の下水処理場91施設のエネルギー消費量を全体で約8%削減できる見通しだ。
◆消費予測で技術支援
2012年末時点で、同市の大中型下水処理場は41施設、都市小型下水処理場は50施設、下水処理能力は1日当たり389万立方メートルだった。下水処理の加速と再生水利用施設建設の3年行動プログラム実施で、15年末までに同市の下水処理能力は新たに1日当たり228万立方メートル増える見込み。
今回の基準の主要起草者で北京都市排水集団技術部の黎艶氏は「基準は下水処理産業の合理的なエネルギー利用や省エネ・排出削減に指導的役割を果たすもので、今後の事業デザインにエネルギー消費予測の点で技術的支援を行うものでもある」と語っている。
12年6月、同集団と北京排水協会は20人あまりのメンバーで構成される基準作成チームを結成した。同チームは市内の下水処理場34施設と全国の一部の下水処理場について約3年間にわたりデータを収集し、草稿を作成。特別討論会や専門家審議会を10回あまり開催し、市内の下水処理場の約半分について実地調査を行った。また11施設で1年間にわたって基準を試行し、最終的に地方基準を完成させた。