「品川線開通で大井地区周辺の利便性は高まるが、周辺に火力発電所も多く、新たな拠点整備の動きはない。大井埠頭(ふとう)の物流機能が高まるので、開通後に動きが出てくるだろう」と、東京都品川区の都市計画担当者は期待する。
都が昨年暮れに策定した「東京都長期ビジョン」でも、東京港の中央防波堤外側にコンテナ埠頭7バースを新設するなどの機能強化に合わせて、道路ネットワークの整備で物流を効率化する計画を打ち出した。18年度には大井とお台場を結ぶ東京港トンネルも開通する予定で、品川線と合わせて臨海部の道路網は大幅に強化される。
《製造拠点も活発化》
一方、圏央道沿いのエリアでは物流・製造拠点の整備が活発化している。今月開業する境古河IC(インターチェンジ、茨城県境町)の近くでは、日野自動車が10年に約66ヘクタールの敷地を購入し、日野市の本社にある大型車両工場の移転を進める。12年5月から古河工場でのノックダウン生産を開始、17年初めに全面稼働。総投資額は720億円で約2000人の社員が移る予定だ。