農業とIT(情報技術)を融合する“スマートアグリ”が、新たな段階に入ってきた。産学の共同団体が農業情報の標準化などを目指す方針を決めたほか、複数の企業が地方都市で、生産から加工・販売までを行う事業の立ち上げを検討。各社それぞれの取り組みだけではなく、異業種がデータや知見を共有しながら協力し、農業の生産性向上や加工販売との一体化を進めようとする動きが強まっている。農家の収益力向上や農林水産物の輸出増を目標とする政府も、こうした取り組みを後押しする構えだ。
慶大の村井純環境情報学部長が代表を務める「アグリプラットフォームコンソーシアム」は26日、都内で会見を開き、1年後をめどに農業の現場での計測により得られるデータの標準化に関するガイドラインをつくると発表した。コンソーシアムにはNECやクボタなどの企業が参加。アドバイザーとして北海道大の教授らも加わっている。
具体的には、農業の生産者や企業などが情報をやり取りする際、関連用語の使い方が異なると正確に伝わらないため、用語やその定義を統一する。