「宇宙太陽光発電」日本の勝算は? NASAも撤退、試される技術立国の実力 (1/4ページ)

2015.4.3 06:35

宇宙太陽光発電システムのイメージ図(JAXA提供)

宇宙太陽光発電システムのイメージ図(JAXA提供)【拡大】

 政府が今年初めに改訂した2024年度までの宇宙政策指針「宇宙基本計画」に、夢のプロジェクトが引き続き盛り込まれた。宇宙空間で太陽光から作り出した電力を地球に送り込む「宇宙太陽光発電システム(Space Solar Power System=SSPS)」の設置計画だ。莫大(ばくだい)なコストがかかるため採算性が疑問視され、一部の専門家から「ばかげた計画」と揶揄(やゆ)されるものの、政府は30年代の実現を目指して研究開発を進める方針を変えていない。民間企業が地上実験に成功するなど夢は膨らむものの、SF映画やアニメなどにも登場するSSPSが日の目を見る日は実際に訪れるのだろうか。

 無線送電に成功

 三菱重工業の神戸造船所(神戸市)で2月24日、神戸港の岸壁沿いに送電側と受電側の2枚の大型パネル(高さ13メートル、幅8メートル)が向かい合って置かれた。その距離は500メートル。制御室でスイッチを入れると、10キロワットの電力が電波に変換されて送信され、受電パネルの上部に青いLED(発光ダイオード)ランプが点灯し、同社の略称「MHI」の文字が浮かび上がった。

 宇宙空間に浮かべた太陽光パネルで発電し、マイクロ波と呼ぶ電気に変えて地球に送電する-。それまでよりも10倍近い距離の無線送電に成功した三菱重工の実証実験は、SSPSの基礎となる技術だ。宇宙では天候や昼夜を選ばず、常に直射日光を浴びて発電できるため、発電量は最大で地上の10倍となる。二酸化炭素(CO2)を排出せず温暖化対策にも役立つ。人類にとって、まさに夢の計画だ。

NASAは既にプロジェクトを中止…研究開発も下火に

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。