タイ、経済回復遅れ不良債権増加 政府、景気浮揚策で歯止めを模索 (1/2ページ)

2015.5.27 05:00

タイ・バンコクの大型商業施設「サイアム・パラゴン」に来店した買い物客(ブルームバーグ)

タイ・バンコクの大型商業施設「サイアム・パラゴン」に来店した買い物客(ブルームバーグ)【拡大】

 タイは金融機関の不良債権が急増している。タイ中央銀行によると、3月末時点の同国のクレジットカードローンの不良債権額は89億3000万バーツ(約323億円)で1年間に22%増加、自動車や住宅などの個人融資の不良債権額も155億バーツで27%増加した。経済の回復の遅れで返済が滞るケースが増えているのが要因だ。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。

 不良債権は元本や利息の返済が滞って回収が困難となった債券を指す。3月末にタイの銀行とノンバンクが抱える不良債権の合計額は2980億バーツとなり、年初の2770億バーツから約8%増加。融資全体に占める不良債権比率は2.15%から2.29%に上昇した。

 昨年、タイは政情不安や政変の影響で経済成長率が0.7%に鈍化した。中銀は今年も不良債権の増加が続くと予想。経済の復調に伴って増加の勢いは緩やかなものになると見込んでいたが、予想外の急増となった。ただし、不良債権比率は依然として低水準で、同国の金融市場には増加を吸収する余力が十分にあるとしている。

 中銀が強気の見方を維持する一方、金融機関の一部からは懸念の声も上がり始めている。地場商銀キアットナーキン銀行の幹部は「経済の不調と家計債務の急増が資産の質の低下を招いている」と述べ、同行の不良債権比率が4~6月に7%台となる恐れがあるとの見解を示した。

 タイの家計債務は2008年末の5兆500億バーツから14年末に10兆4000億バーツへと倍増し、債務総額の国内総生産(GDP)比は同期間で55.6%から85.9%に拡大した。東南アジアではマレーシアとともに高水準で、家計債務が両国の経済の懸念材料と指摘する声もある。

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