【ドレスデン=佐久間修志】ドイツ東部のドレスデンで開催されている先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席した麻生太郎財務相は28日夜(日本時間29日未明)の記者会見で、急速に進んだ円安・ドル高について、「荒い動き」と懸念を示した。
麻生大臣は同日午前に、米国のルー財務長官と会談したことも明らかにし、急激な為替変動を望まないなどの共通認識で一致したと述べた。ルー長官からは、安倍晋三首相が表明したアジア向けインフラ投資の拡充について、歓迎の意向が示されたという。
同会議は初日の討議を終え、中国における景気減速など、世界経済の成長に対するリスクについて意見が交されたほか、税制の分野では、年内にも取りまとめられる多国籍企業の課税逃れ対策について、各国の進(しん)捗(ちょく)状況を確認した。
麻生財務相は、安倍政権で進めてきた成長戦略について、コーポレートガバナンス改革や政労使会議などの取り組みで、企業収益が投資や賃金に回るようにした取り組みを紹介し、2020年度に基礎的財政収支を黒字化する政府の財政健全化計画を6月末までに示す必要性を強調した。