住宅売買が好調な韓国。一方で家計の借金の増大が懸念されている(ロイター)【拡大】
韓国経済の時限爆弾ともいわれる家計債務の深刻さがまたひとつ浮き彫りとなった。ローンの利息だけを返済して、元本返済に手をつける気のない借り主が多数存在している実態が分かった。売却益に期待した住宅価格の上昇神話が根強く残っているためだが、長期デフレの崖っぷちに立つ韓国だけに、金融システムへの影響を心配する声が高まっている。韓国メディアは、リーマン・ショックの引き金となった「サブプライムローン」との類似性を指摘。金融危機への懸念を強めている。
“官制市場”で住宅ローンが急増
2008年秋、米投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻から始まったリーマン・ショック。発端は低所得者向けの住宅ローンの相次ぐ焦げ付きが原因だった。似たような借金問題が韓国経済の重石になっている。
個人負債残高は昨年末に1000兆ウォン(約110兆円)の大台に突入。足元では、住宅担保ローンの増加が著しい。景気過熱による借金の増加なら喜ばしいことだが、それは規制緩和が生んだ“官制市場”の側面がある。