アジアインフラ投資銀行の設立協定に署名する創設メンバー国の代表=29日、北京の人民大会堂(共同)【拡大】
中国が主導する国際金融機関アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に関する協定署名式が29日、創設メンバー57カ国の代表が出席して、北京市内の人民大会堂で行われた。メンバー国が今後、それぞれ国内に戻って批准手続きを行い、年内に正式発足する見通しだ。
ただ、メンバー国のうちフィリピンなど7カ国はこの日の署名を見送った。中国側は「署名できなかった7カ国も国内の手続きを経て年末までに署名する」と説明した。フィリピンは領有権を争う南シナ海で、中国が岩礁の埋め立てを強行したことに反発して署名に難色を示したもようだ。
先進7カ国(G7)は参加を見送った日米とメンバーに加わった英国、ドイツなどと対応が分かれた。
AIIBの資本金は1000億ドル(約12兆3000億円)で中国が約30%を引き受けて最大出資国となり、運営上の「拒否権」を握る。本部は北京。中国財政次官やアジア開発銀行(ADB)副総裁を歴任した金立群AIIB設立準備事務局長が初代総裁に就く方向で、国際金融機関ながら中国色の極めて濃厚な組織となる。