中国工業情報省が主催し中国乳製品工業協会が開催する乳幼児用粉ミルク企業合併・再編業務会議がこのほど、北京で開催された。同省の王黎明・総工程師によると、現在、乳幼児用粉ミルクメーカーで進んでいる合併・再編の効果は表れてきており、2014年末時点で国産ブランド上位10社の産業集中度は前年比約10ポイント増の54.2%に達している。
◆研究開発力が向上
国内乳業大手の蒙牛乳業は13年6月、雅士利国際集団(当時は広東雅士利集団)を124億香港ドル(現在のレートで約1974億800万円)で買収。これが中国の乳業再編の幕開けとなり、内蒙古伊利実業集団(伊利)や飛鶴乳業、関山乳業、光明乳業、輝山乳業、仏食品大手ダノンのほか、不動産大手の恒大集団といった異業種企業も企業の合併・買収(M&A)を実施。
王総工程師によると、昨年以来20件のM&Aが行われており、買収金額は多くが1億元(約19億8800万円)以上、最高額は150億元を超えていた。
業界再編を経て、(13年末に厳格化された)改訂後の粉ミルク生産許可証を取得した企業は13年の128社から34社少ない94社となった。
広東省は粉ミルクの生産と消費が全国の約5分の1を占めており、メーカーの合併・再編のペースが速い。同省経済情報化委員会の関係者によると、1年前まで10社あった同省の粉ミルクメーカーは現在5社に減少。また省政府関連部門は雅士利と施恩(中国)嬰幼児栄養品の2社に対して、研究開発(R&D)センターに500万元の投資を促し、研究開発力を飛躍的に向上させている。
「業界では合併・再編の過程で、政策指導の不足や支援策が行き渡らない、企業側の意識が低いといった新たな問題が生じている」と、王総工程師は抱えている問題について指摘する。