インド西部ラジャスタン州で経営するホテルの和食レストランで、州産業開発・投資公社(RIICO)のシャルマ氏(左)と打ち合わせをするヒロハマ・インディアの本多康二郎社長(右)【拡大】
◆労働環境を改善
一方、インドでは隣接のハリヤナ州で、12年にスズキの子会社マルチ・スズキの工場の従業員らが賃金アップなどを要求、建物に放火する事件が起きた。この暴動は、幹部1人が死亡する惨事となり、格差社会のインドが難しい労働問題を抱えていることを浮き彫りにした。
そこでラジャスタン州は企業の不安を和らげるため、労働組合組成の要件を厳しくしたり、従業員の解雇制限を緩和したりする法改正を行った。女性の夜間勤務も認め、従業員の確保をより容易にしている。
工業団地の分譲に当たるラジャスタン州産業開発・投資公社(RIICO)の事業推進担当、アニール・シャルマ氏は「インドは広大な国だ。ハリヤナ州の例でラジャスタン州を見てほしくない。ここでは暴動は起きていない」と強調している。
そのラジャスタン州で事業を展開するヒロハマが、インドに現地法人を設立したのは08年。現在はニムラナのほか、首都近郊のハリヤナ州グルガオンでレンタル事務所やサービスアパートを運営している。ニムラナ工業団地近くには13年にホテルをオープンさせ、約50室は日本人の長期滞在者で満室の状態だ。
また、日本で飲食店などを展開する「KUURAKU GROUP」と業務提携し、ニムラナのホテル内やグルガオンに和食レストラン「くう楽」3店を展開、今後はインド国内のニューデリーや西部グジャラート州のほか、近隣国のスリランカやネパールへの業務拡大も予定している。(ニューデリー 岩田智雄)