【ラハイナ(米ハワイ州)=本田誠】環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、政府が日本の牛・豚肉の関税について、米国との合意水準をオーストラリアやカナダなど他の参加各国にも適用する方向で調整していることが分かった。日本市場での各国の競争条件を同一にすることで、関税協議を決着しやすくするのが狙いだ。28日(日本時間29日)に米ハワイ州のマウイ島で開幕した閣僚会合期間中の合意を目指す。
政府はまた、参加国全体からの輸入総量が一定量を上回った場合に関税を引き上げる緊急輸入制限(セーフガード)も導入し、国内の畜産農家への影響の緩和を図る。
日本の牛肉輸入量のうち9割以上を米国やオーストラリア、カナダ、ニュージーランドが占める。豚肉も米国、カナダのほか、メキシコ、チリといった参加国からの輸入が6割に上る。
日本の牛肉の関税は現在の38.5%を15年程度で9%程度まで段階的に引き下げる。豚肉は低価格品にかける1キロ482円の関税を10年程度で50円程度に下げ、高価格品にかける4.3%の関税は10年程度で撤廃する。鶏肉は大半の品目で段階的に撤廃、ワインも7年程度で撤廃する。