騒動の発端は、武雄氏が7月27日、宏之氏に伴われて東京の本社を訪れ、昭夫氏ら役員の解任を伝えたこと。これに対し、昭夫氏側は翌28日、取締役会を開き、「解任は無効」とした上で、武雄氏を代表権のない名誉会長とする人事を決め、創業家の“兄弟対立”と“父子対立”が表面化した。
宏之氏側は日韓メディアを通じて反撃。2日には、武雄氏が「(昭夫氏を)許すことはできない」と批判する映像を公開した。武雄氏はこの際、昭夫氏を韓国ロッテグループ会長に「任命したことはない」と事実とは異なる発言をし、韓国では武雄氏の健康状態をいぶかる報道もある。
ロッテは在日韓国人1世の武雄氏が1948年に東京で創業し、67年に韓国に進出。現在、売り上げの90%超は韓国で発生しているが、日本のロッテHDが日韓ロッテの事実上の持ち株会社となっている。