金融庁は2016年度税制改正要望で、先物やオプションなどのデリバティブ取引で生じた損益を、上場株や公社債の損益と通算して課税する制度の導入を要望する方針を固めた。株と株価指数先物にそれぞれ投資した場合、合算した損益がマイナスでもどちらかの投資で利益が出ていれば課税されるが、損益通算すれば税金がかからなくなる。
上場株の譲渡益や配当(税率約20%)、デリバティブの売買益(同)、公社債の利子や譲渡益(非課税)は課税方式が違うため、金融商品間で損益通算ができない。だが来年1月から公社債を株と同じ課税方式にして損益通算を可能にする。この範囲をさらにデリバティブにも広げ、投資家が多様な金融商品を取引しやすい環境を整備する。
ある上場株を購入する一方、日経平均先物には売り注文を入れ、リスクをヘッジする投資手法がある。株を買った会社の株価が下がっても、日経平均株価も下落していれば、先物では利益が得られる。