一方、最も規制が厳しい「特別保護地区」では、地上と地下の両方で開発をこれまで通り禁止する。
地熱発電は地下から高温の蒸気を取り出し、タービンを回して発電する仕組みだ。二酸化炭素(CO2)を排出しないだけでなく、太陽光や風力のように天候で発電量が左右されることもない。発電コストも比較的安く、政府は「ベースロード電源」として重視する姿勢を示している。
このほど決まったわが国の2030年度のエネルギーミックス(電源構成比率)では、現在52万キロワットの設備容量を約3倍の155万キロワットまで拡大する目標を設定。「政府全体で知恵を出しながら(普及拡大に)取り組む」(宮沢洋一経済産業相)と開発を加速する構えだ。
こうした追い風を受け、電源開発(Jパワー)などが秋田県湯沢市で出力4万2000キロワットの地熱発電所を建て始めるなど、出力1万キロワット超の大型案件だけで全国20カ所程度の新規計画が持ち上がっている。