一方、中国など不参加国からの部品調達も多い日本は40%程度を要求。日本と同様に、不参加国からも安い部品を調達したい米国は日本に歩み寄りを示しているという。今回の協議で日本はカナダとメキシコの説得を試みるが、「状況はかなり厳しい」(交渉筋)という。
来月19日に総選挙を控えるカナダは与党が敗北し、現政権での交渉継続が難しくなる可能性があり、甘利明TPP担当相は「カナダの総選挙の時期を越えてしまうと、近いうちにまとめあげることはかなり厳しい」との見方を示す。
7月末に米ハワイ州で開かれた閣僚会合では、知的財産の新薬データ保護期間で米国とオーストラリアなどが対立。乳製品の関税をめぐってもニュージーランドと日米などとの隔たりは大きく、大筋合意には至らなかった。
米国は一部の参加国に対し、今月下旬の閣僚会合開催を打診したもようだが、「11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前後での開催が次の節目」(交渉筋)との見方も出ている。(西村利也、ワシントン 小雲規生)