日銀は7日、金融政策決定会合を開き、賛成多数で大規模な金融緩和の継続を決めた。原油安や中国経済の失速で足元の景気・物価は弱含んでいるが、黒田東彦総裁は会合後の記者会見で「デフレ状況ではなくなった」との見解を示した。景気判断は「緩やかな回復を続けている」で据え置いた。
9月の日銀企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の景況感が3四半期ぶりに悪化。日銀は個別の景気判断で「企業の業況感は一部にやや慎重な動きもみられるが、総じて良好な水準を維持している」と言及した。
原油安が響き、8月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は2年4カ月ぶりの前年比マイナスに転落。黒田総裁は平成28年度前半ごろに2%の物価上昇率を目指す目標について、「道半ばだ」と述べた。
日銀は30日の次回会合で、27年度の物価上昇率見通しについて、従来の0.7%から0%台前半に、28年度も1.9%から小幅に引き下げる方向で検討を始めた。27年度の実質国内総生産(GDP)の成長率見通しも、1.7%から1%前後に下方修正を検討する。