“草食系知事”が突然キレた!? 京都vs福井…LNGパイプラインルート論争 (4/7ページ)

2015.10.13 07:00

液化天然ガス(LNG)パイプラインのルート選定をめぐり、京都府と福井県がそれぞれ想定しているルート。受け入れ基地の設置は経済効果に結びつくだけに、両県の「綱引き」は激しさを増してきた

液化天然ガス(LNG)パイプラインのルート選定をめぐり、京都府と福井県がそれぞれ想定しているルート。受け入れ基地の設置は経済効果に結びつくだけに、両県の「綱引き」は激しさを増してきた【拡大】

  • 京都府の山田啓二知事。調整役や議長役を担う理性的で穏やかな人柄で知られるが、液化天然ガスパイプラインのルート選定をめぐっては、福井県側が示した1枚の地図に強い口調でかみついた

 現在、日本と国外を直接結ぶパイプラインはなく、LNGは船舶によるオーストラリアやロシアなどからの輸入に頼っている。日本では、港付近に輸入したLNGを貯蔵、再ガス化するLNG基地を設置。そこからパイプラインをひいて各地に供給されている。

 財務省貿易統計によると、平成26年のLNG輸入額は過去最高の7兆8500億円で、東日本大震災前の22年と比較すると2倍以上に膨らんだ。震災後、国内の原発が稼働を停止。火力発電を増やさなければ電気が足りなくなり、LNGなどの燃料の輸入が急増した。

 震災では、LNGが注目されるようになったもう一つの出来事もあった。

 LNG基地の一つだった仙台市ガス局が津波被害にあったが、日本海側の新潟市とパイプラインがつながっていたため、ガス供給の早期再開が実現した。

 もしパイプラインがつながっていなければ、仙台市ガス局の施設が復旧するまで、ガス供給は長期間止まったままだったと想定される。ライフラインの復旧はさらに遅れただろう。

ただ、実は日本のLNG政策はこれまで、国の統一見解がなかった

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