【ベルリン=宮下日出男】中東や北アフリカの難民・移民の流入問題で、欧州を目指す移民らの主要経路であるバルカン諸国の状況が再び混乱している。ハンガリーの国境封鎖で、移民らが大量流入するスロベニアなどは対処に苦慮。厳しい気象条件下に移民らが留め置かれる場面も増え、本格的な冬の到来を前に関係者は懸念を強めている。
「人口200万人の国に制御するよう期待するのは妄想だ」。スロベニア政府は20日、欧州連合(EU)に協力を訴えた。同国ではハンガリーが17日にクロアチアとの国境を封鎖したのを受け、18日以降、クロアチアから入境する移民らが約2万人に急増した。
20日には、厚手の上着に身を固め、フードをかぶった移民らがスロベニア国内から徒歩でオーストリアに向かう姿がみられた。寒さのため、毛布で身を包む姿もあった。