【TPPでこう変わる】(4)乳製品、バターの品不足緩和を期待

2015.10.24 05:00

 ■製菓、消費者には利点も

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効に伴い、乳製品についてはバターや脱脂粉乳は、世界貿易機関(WTO)協定に基づく13万7000トン(生乳換算、以下同)の低関税輸入枠を継続する。それとは別にTPP枠を設けて6万トンを輸入し、6年目に7万トンに拡大する。この枠内の関税はバターは1キロ当たり35%+290円で、11年目には35%だけとなる。

 国内の酪農家は海外産との競合で厳しい状況に追い込まれる恐れがある。一方、ここ数年続くバターの品不足はある程度緩和が期待され、製菓店や消費者には利点がありそうだ。

 チーズでは、国産を伸ばしたいモッツァレラやカマンベール、プロセスの関税は維持。チェダーやゴーダなどの熟成チーズや、スパゲティにかける粉チーズなどは16年目に撤廃する。そのほか、乳児用粉ミルクやヨーグルトは11年目に撤廃される。

 甘味資源作物は、粗糖や精製糖は内外格差を埋めるための「糖価調整制度」は維持。白砂糖などに精製される前の高糖度原料糖に限り無税とし、調整金も少額削減する。サトウキビ農家などへの大きな打撃にはならないが、チョコレート菓子などの加糖調製品には低関税輸入枠が設けられ、将来的な影響が懸念される。

 ボトルワインの関税は協定発効時に3分の2の水準に下げ、発効8年目に撤廃。清酒や焼酎、葉巻たばこや精製塩も11年目には撤廃され、消費者にとっては各国の多種多様な嗜好(しこう)品をより安く購入できるようになりそうだ。

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