中国中央人民ラジオ局第1放送「中国の声」の報道番組「央広新聞」によると、(南部の水を北部に送る)南水北調プロジェクトによる北京市の地下水への回復効果が初めて観測された。
観測データによると、同市の地表から地下水面までの距離は今年6月末には26.7メートルだったが、7月末は26.55メートルで、15センチ上昇。1999年以来初の回復となった。
北京市水務局の担当者によると、今回の水位上昇は市内数カ所だけではなく、全面的に見られる現象。回復の主な原因は、南水北調で同市の逼迫(ひっぱく)した水資源環境が改善されたことだという。
同市では99年以降、干魃(かんばつ)が続き、降水量と水資源需要量のバランスが取れず、年間約5億立方メートルの地下水を過剰に採取。これにより同市の地下水位は年平均1メートル近いペースで下がっていた。
南水北調の中央ルートが2014年12月に北京に到達して以降、首都の給水環境は効果的に改善された。これにより、市全体の給水量の約60%を占める約200万立方メートルの水が、毎日浄水場を通して北京市内各戸に送られている。
先月上旬までに、中央ルート北京区間の恵南荘に送られた水量は5億立方メートルを超えた。このうち約7割は浄水場に、残りは貯水池や地下水に送られている。(中国広播網=中国新聞社)