【世界を究める】(12)中国の有機農業 知られざるアジアの有機農業大国 (1/2ページ)

2015.11.10 05:00

有機農産物を栽培する北京市郊外のNGO「小毛驢市民農園」。都市近郊で環境保全型農業が広がっている(アジア経済研究所提供)

有機農産物を栽培する北京市郊外のNGO「小毛驢市民農園」。都市近郊で環境保全型農業が広がっている(アジア経済研究所提供)【拡大】

 □山田七絵・アジア経済研究所 新領域研究センター 環境・資源研究グループ

 中国がアジア最大の有機農産物の生産・消費国であることはあまり知られていない。近年の国内の食の安全に対する関心の高まりに加え、認証制度の整備や企業・生産者への支援政策が追い風となり、2013年に有機農産物を生産している農地面積は209万4000ヘクタール(世界第4位)、小売販売総額は世界市場の約4%に当たる24億3000万ユーロ(同第4位)、輸出総額は365万ユーロ(同第8位)となった。国家認証認可監督管理委員会編『中国有機産業発展報告』(中国質検出版社・中国標準出版社、14年)によれば、中国国内で発行された有機認証は04年の22件から13年末までに9957件に急増、認可企業は6051社に達している。

 中国の有機農業は1990年代に輸出向け農産物生産として始まった。有機農産物とその加工品には生産から流通に至る一貫した厳密な生産管理が求められるため、国内市場と完全に隔離された流通経路が形成された。有機農産物は契約農家が企業の指示に従って生産し、品質検査を経て出荷される。経済発展にともない、次第に国内の富裕層向け市場でも販売されるようになった。

 旺盛な国内需要に対応し、近年大都市を中心に産直提携を実践する企業やNGO(非政府組織)も現れている。支援政策に加え、相対的に低い労賃と資材費、土地制度上の理由から農地の集積が比較的容易な点も有機農業の発展に有利だ。有機農業では農薬の飛散などを防ぐためまとまった農地の取得が望ましく、小規模経営が主体のアジア諸国ではこの点が障壁となることも多い。

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