■まず霞が関から始めよ
--安倍晋三首相が経済政策「アベノミクス」の第2ステージとして「新三本の矢」を掲げた
「中身が抽象的だ。具体化に向けて詳細を詰める必要がある。新三本の矢で最も注目しているのが、強い経済の目標として掲げた名目の国内総生産(GDP)600兆円の達成だ。日本は失われた20年の長期低迷もあって、世界第2位の経済大国から転落し、アジアでのステータスを失った。1人当たりの購買力平価でみれば、アジアでは1位がシンガポールで、ブルネイ、香港、台湾と続き、日本は今や5位だ。日本は経済的に成長することが必要だ」
--GDP600兆円は達成可能か
「物価上昇があれば、十分可能な数値だ。ただ、2020年という達成時期についてはどうだろうか。政府の試算ではこれから毎年、名目3%成長を続けることを前提にしている。これが達成できないという人は、デフレマインドが染みついているからかもしれない。20年にはできなくても、23年に達成すればいい」
--そのためには
「人口減の歯止めが必要だ。特に労働力人口の減少が問題となっている。GDPを引き上げるには労働力人口を増やすか、人口減少をカバーする生産性の向上が必要だ」