TPP対策 識者コメント

2015.11.26 05:33

 ■評価に値する発展ツール

 渡辺頼純慶応大教授 日本経済発展の総合的ツールとしてTPPの利用価値を網羅的に取り上げており、評価できる。農業対策は専業農家の多い畜産、酪農で直接所得補償を充実するのは正しい方向だ。だが、コメはそもそも国産価格が米国産などよりも安くなってきており、高い関税で保護が必要かは疑問が残る。

 一方、中小企業の海外展開では、TPPや経済連携協定を活用する手法や経験が蓄積されていない。(大綱が)通商協定の利便性を納得して活用していけるよう支援体制を整える第一歩になると期待している。

 ■道筋見えぬ数値目標達成

 山下一仁キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 TPPを活用して日本経済を成長させるという全体的な方向は評価できる。ただ、盛り込まれた数値目標は裏付けがなく、達成の具体的な道筋はみえない。農林水産物・食品の輸出額1兆円達成の前倒しには、輸出競争力をつけることが不可欠だ。だが、海外でも高い評価を受けている主食用米は円安で内外価格差が解消したのに、生産調整(減反)を強化して価格を上げるなど、目標と足元の政策に齟齬があるものもみられる。

 大綱も策定したのだから、これをいかに利用して産業界が対応するかも重要となる。

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