【高論卓説】安倍首相のインド訪問の成果 新幹線、原発輸出へ大きく前進 (1/3ページ)

2015.12.17 05:00

 安倍晋三首相が3回目のインド訪問をした。

 少し前、ブラジル・ロシア・インド・中国の4大新興国がBRICsと呼ばれて注目された。現在は、政治も経済も「どん底」のブラジル、資源安や経済制裁が効いて苦しいロシア、減速基調が著しい中国、の3か国と比べ、2年連続で7%以上の高成長のインドは、まだ続く人口ボーナス状態もあり、比較的堅調である。

 こうした経済発展状況も踏まえ、特にインフラ面で、今回の首相訪印では、2つの大きな成果が花開いたと思う。

 一つは新幹線の売り込みの成功だ。通例、鉄道案件は、フィージビリティースタディー(F/S)と呼ばれる基礎調査をする企業によって本体受注の明暗が分かれる。日本勢はフランス系のシストラが行った予備FSを本格FSの際に逆転したと聞く。水面下での官民の努力が功を奏したのではないか。

 そして最後の決め手は、インドネシアでの敗北を踏まえての、破格の金融支援であろう。筆者が経産省でインフラ輸出を担当していた際は、円借款の最優遇金利は年0.75%で、償還期間は40年が最長であった。今回は、年利0.1%で償還期間50年との条件なので、総事業費の約8割に当たる1兆4600億円という巨額さもあり、かなりの好条件だ。

 その他、案件のスコープも妥当だ。かつて「日本勢で決まった」と報道されたベトナムの新幹線案件が、同国の国会不承認で頓挫した理由の一つは、ハノイ-ホーチミン間(約1700キロメートル)という計画の非現実性と乗客数との関係だ(ハノイ-ビン間などの300キロメートル程度の現実的路線を第1段階とする形だが)。今回の約500キロメートルの長さは、東京-京都・大阪に相当し、飛行機などとの競合から見て現実的だ。日本の円借款の第1号はインド向け、との歴史的経緯を踏まえるとなお、今回の成功は画期的成果だと言えよう。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。