政府が21日発表した12月の月例経済報告は、景気の基調判断を「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、2カ月連続で据え置いた。失業率の改善などを踏まえ雇用は上方修正したものの、内需の柱である個人消費と設備投資は力強さがなく、判断を据え置いた。マンション中心に着工が減った住宅建設や公共投資は判断を引き下げた。
「個人消費、設備投資ともに、改善に遅れがみられる」。月例報告発表後の会見で、甘利明経済再生相はこう述べた。
個別項目のうち、判断を上方修正したのは雇用のみで、「改善傾向にある」から「改善している」に変更した。上方修正は10カ月ぶり。10月の完全失業率が3.1%と約20年ぶりの低水準になるなど、「改善基調がより鮮明になった」(内閣府)ためだ。
ただ、雇用環境の改善は消費拡大につながっておらず、10月の1世帯当たりの消費支出は2カ月連続のマイナス。政府は個人消費の判断を「総じてみれば底堅い動きとなっている」のまま据え置いた。