平成28年度予算案の防衛費は、前年度比1.5%増の5兆541億円(在日米軍再編経費などを含む)となり、初めて5兆円を超えた。防衛費の増額は第2次安倍晋三政権が発足して以降、4年連続。中国の海洋進出を念頭に周辺海空域の警戒監視能力などを強化する。
南西諸島など島嶼(とうしょ)防衛の強化では、垂直離着陸輸送機V22オスプレイ4機(447億円)や水陸両用車「AAV7」11両(78億円)、機動戦闘車36両(252億円)などを導入。鹿児島・奄美大島と沖縄・宮古島への部隊配備費(195億円)も計上した。
中国に対し航空優勢を確保するため、最新鋭ステルス戦闘機「F35」6機(1084億円)や、新型輸送機「C2」の取得費を盛り込んだ。安全保障関連法の成立に伴い米軍機への給油が可能になることから戦闘機の滞空可能時間を延ばす空中給油機「KC46A」1機(231億円)も調達する。東シナ海での警戒監視強化のため無人偵察機「グローバルホーク」(146億円)や新型早期警戒機「E2D」1機(260億円)を調達。最新鋭のイージス艦1隻(1734億円)と「そうりゅう」型潜水艦1隻(636億円)の建造費も盛り込んだ。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を含む在日米軍再編事業に1766億円、辺野古周辺地区への直接補助金7800万円を積んだ。在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)として1920億円を措置した。