2016年がスタートした。経済3団体のトップに日本経済の展望について聞いた。
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--2015年を振り返ると
「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)合意は非常に大きな出来事だ。TPPは日本にとって究極の成長戦略で、約14兆円と想定を大きく上回る経済効果が試算されている。また、企業にとっては、1年前倒しで法人税の実効税率20%台の実現が決まったことも大きい。税負担が軽くなるというだけでなく、国際競争の中で、日本を海外と同等の環境にしようと、議論が一気に進んだことを評価すべきだ。また、日中、日韓の関係改善も動き出した。経済関係の強化・拡大には、政治外交面での安定的な関係が不可欠。私も両国のトップと会談し、ぜひ首脳会談を再開してもらいたいと言い続け、実現の大きな後押しをできた」
--新興国などの経済減速が指摘されるが、16年の経済見通しは
「日本経済は基本的なファンダメンタルは強い。アベノミクスの経済政策は徐々に効果を表して着実な回復を遂げている。安倍晋三首相が打ち出した20年に国内総生産(GDP)600兆円を目指す初年度だ。今年の政府の成長率見通しは、実質で1.7%、名目で3.1%という数値。民間予測よりも高い水準だが、高いか低いかの問題でなく、是が非でも達成しなくてはならない目標だ」