2016年がスタートした。経済3団体のトップに日本経済の展望について聞いた。
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□経済同友会・小林喜光代表幹事
--日本経済の現状評価は
「国内の経済的な環境は良かったのではないか。民主党政権時代には、経済の『6重苦』はそう簡単に解決しないと感じていた。そのため経営者は、収益を上げ、時価総額を拡大するには日本にとどまっていては勝てないと感じていた。それが政権交代し、大規模な金融緩和によって為替相場が円安に動いた。加えて原油価格の下落という追い風もあった。円安で輸出しやすくなり、観光面では海外から日本に来やすくなっている。原油価格が下がったおかげで、本来なら円安によって高くなるはずの輸入原材料価格が、そうはならなかった」
--外部環境の変化をどうみる
「グローバリゼーションの中で新しいデモクラシー(制度・枠組み)の動きが出てきた。代表的なのが国連気候変動枠組み条約第21回締結国会議(COP21)で合意したパリ協定だ。法的な拘束力がないとはいえ、主要な二酸化炭素(CO2)排出国すべてが新しい排出削減の取り決めで合意できたことは快挙だ。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の大筋合意も新しい動きを象徴している。一方でパリで起きた同時多発テロなど、テロの拡散、世界的な伝播(でんぱ)がネガティブな材料となっている」