【新春に語る】「個々の組織、人、国」中心に成熟を (2/3ページ)

2016.1.1 05:00

 --景気の展望は

 「新興国経済の動向が心配だが、中国を含め、一気に悪化するようなことはないだろう。原油価格は当面、安い状況が続くので、日本経済にプラスに働く。為替相場も米国が利上げしたことで、円安方向に進むのは間違いない。また、今春闘でも賃上げが実現すれば3回目だ。設備投資も昨年の夏場以降拡大基調だし、消費を含めて景気はさらに暖まっていくとみている」

 --円安が逆風となる企業もある

 「確かに現在の円安水準は、中小企業にとって限界に近いかもしれない。だが、大企業の好業績が、中小企業にも波及する『トリクルダウン』が拡大するだろう。日本企業は自分のところだけが好調ならいいということにはならないので、取引価格の是正などによって中小の業績改善も期待できる」

 --経済同友会は資本効率の向上を大きなテーマにしている

 「米製薬大手ファイザーがアイルランドに本社を置く同業のアラガンと経営統合することで合意し、米化学大手のダウ・ケミカルとデュポンも合併を決めるなど、海外では株主価値を高めようとする経営の動きが強まっている。日本でも株主との対話を強化するために、『コーポレートガバナンスコード』や『スチュワードシップコード』が導入され、社外取締役の増員も図られている。雇用を大事にすることも考慮したうえで、いろんな業種で統合が進み、国際競争力を向上させることを本格的に考える年になる」

 --2016年のキーワードは

 「経済を拡大し、強くしていくには個々の組織、個々の人、個々の国が頑張らなくてはならない。『個』がキーワードだ。企業、業界、個人がそれぞれの目的、存在理由などを深く考えるのが成熟した民主主義国家の姿だ。政府が悪い、会社が悪いと不満を言うのではなく、自らが何をすべきか考えることが必要だ」

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