日銀は8日、昨年12月17、18日に開いた金融政策決定会合での出席者の発言をまとめた「主な意見」を初めて公表した。会合では日銀が買い入れる国債の満期までの期間(平均残存期間)を延ばし、購入しやすくするなど大規模金融緩和の補強策を決めた。委員からは「かえって限界が意識され、市場との対話が難しくなる」との批判も出た。
補強策の導入は9人の政策委員のうち6人が賛成して決定したが、3人が反対に回った。日銀内で激しい意見の対立があったことがうかがえた。買い取る国債の残存期間延長について、ある政策委員は、財政赤字削減への関与を深め、金融政策の独立性を損なうとして「望ましくない」と反対する意見を述べた。
また会合では、上場投資信託(ETF)の新たな買い入れ枠も決めたが、委員からは「企業活動に対する中立性などの観点から、現行より減額するのが望ましい」との反論もあった。
日銀は、金融政策の情報発信を迅速化するため、今年から決定会合の6営業日後に「主な意見」の公表を始めた。従来、議論の内容は、次の会合後に公表される議事要旨まで分からず、1カ月以上かかることもあった。