市場との対話深まるか 日銀公表の「主な意見」、ウオッチャーからは好意的評価も

2016.1.8 21:21

 日銀が8日公表した「主な意見」は、金融政策決定会合の運営方法を今年から見直したことに伴い、市場との対話を強化する施策だ。会合の6営業日後にどんな議論がなされたかが分かるため、「日銀ウオッチャー」と呼ばれるエコノミストからは「欧米の中央銀行を上回る迅速性」と好意的な評価があがっている。(藤原章裕)

 日銀は今年から、決定会合の回数を年14回から8回に減らした。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の理事会に合わせた措置だ。

 市場関係者は各中銀の政策決定議論を注視する。FRBとECBは理事会の3~4週間後に議事要旨を公開している。しかし、日銀法の規定で決定会合の議事要旨は次回会合より前には公表できない。

 日銀内からも「会合の減少で、議事要旨の公表が大幅に遅れてしまう」と、市場との対話の後退を懸念する声が上がった。「主な意見」を新たに作成したのはこのためだ。会合での議論の中身が速やかに分かるため、市場関係者が金融政策の方向性を先読みしやすくなるメリットがある。

 大和証券の野口麻衣子氏は「議論の中身が早く分かるメリットは大きい。また、発言のポイントがコンパクトに網羅されているので、議事要旨より読みやすい」と評価した。

 今回の「主な意見」は、昨年12月17~18日会合分の試験版でA4判5ページ。9人の政策委員など出席者の発言をそれぞれ300字以内にまとめ、経済情勢や金融政策などの項目に分けて記載した。物価についての意見では、「非正規労働者の賃金は上がっており、正規労働者の賃金の伸びが鈍くても物価は上がっていく」との声が投資家の関心を集めた。

 SMBC日興証券の宮前耕也氏は「大勢の意見であれば、春闘での賃上げが小幅にとどまっても日銀は追加の金融緩和に動かないだろう」と分析した。またソシエテジェネラル証券の会田卓司氏も「『外需が持ち直している』『物価の基調は改善』など強気の意見からは追加緩和の材料は見当たらない」と指摘した。

 一方で「現在の日銀は黒田東彦総裁のトップダウン。政策委員の意見から金融政策を見通すのは難しい」(みずほ証券の上野泰也氏)との声もあがった。

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