AIIB開業 気前よく支援、まるで朝貢… 中国と途上国の思惑一致 (2/3ページ)

 しかも開業したてのAIIBは、原資調達へ発行する債券の「格付け」がまだない。当面は資本金だけで融資がまかなえるが、年内に承認されるとみられる初の融資案件を含め、20億ドルと見込む初年度案件がいずれも成功しなければ「習指導部がメンツをかけて関係部門に命じた最上級の『トリプルA』の格付け早期取得は難しい」(北京の経済学者)との見方がある。

 情報から遠のく日本

 日米は運営上の透明性への懸念からAIIB参加を見送ったが、「日本だけは認識が甘い」(中国の金融当局者)との厳しい指摘がある。

 米国は世銀の元北京事務所長デビッド・ダラー氏をAIIB事務局に送り込み、内部情報にアクセスできる態勢を作ったが、日本は蚊帳の外だからだ。

 現状では、加盟国以外でも自由に応札して受注が可能なアンタイド方式をとるAIIBの案件に、日本企業が参加する機会もキャッチしにくい。

日本がAIIB参加を急ぐ理由はどこにもない